2010年2月26日、 九州大学筑紫キャンパス総合研究棟 において、九州大学リサーチコア「身体運動の科学を通しての社会貢献」チーム主催の第一回公開講演会が開催されました。

   
 
チームリーダー: 熊谷秋三
 
主査: 大柿哲郎 丸山徹 林直亨 熊谷秋三
 
推進室長:  眞崎義憲
   
   
 
 
 
 
 
   
 
  主催者挨拶 九州大学健康科学センター長 大柿 哲朗
 
   
  リサーチコア紹介 リサーチコア代表 九州大学健康科学センター 熊谷 秋三
 
   
  講演 1 「生活習慣病の運動疫学」
澤田 亨 (東京ガス株式会社 安全健康・福利室主任研究員)
 
  身体運動の科学を通して社会貢献するためには、その活動や方針の根拠となるエビデンスが必要です。本講演では身体運動の社会貢献に関して、エビデンスとして運動疫学研究がどのように活用されているか紹介するとともに、我々の実施している「東京ガス・スタディ」をはじめ身体運動や体力と健康の関係を調査した代表的な運動疫学研究を紹介し、皆様と一緒に今後の課題について考えていきたいと考えています。
   
  講演2 「意欲に満ちた元気高齢者の支援:心が動けば身体も動く」
高杉 紳一郎 (九州大学病院リハビリテーション部診療准教授)
 
   高齢者の身体機能向上プログラムは,全国で展開されているが,参加者集めに難渋する実情もある.参加意欲の持続には,上意下達の強制的訓練から,自発的な生涯スポーツへ,「人を集める」から「人が集まる」事業への発想転換が必要であろう.
  太極拳やフラ,日舞,ゲームなどアートに属する種目は,社会参加を促進し,生活にとけ込み,心のスイッチを入れ,心が動けば思わず体も動く.自然に手が伸び足も出る.本人さえ驚く動きや笑顔が現れる.ワクワクするような創意工夫の介護予防の実践例を紹介する.
   
  講演3 「異なるタイプの運動が骨格筋糖代謝に及ぼす影響」
川中 健太郎 (新潟医療福祉大学健康科学部准教授)
 
   多くの研究において、速歩・ジョギングのような中強度運動が骨格筋の血糖取り込みを促進させて糖尿病を予防すること、および、その分子機序としてAMPキナーゼの関与が報告されている。しかし、球技系のスポーツ活動で体験するようなスプリント的な高強度運動、あるいは、日常生活活動のほとんどを占める姿勢維持活動などは中強度運動とは異なる効果や機序を有する可能性がある。我々はこれらの身体活動が筋の血糖取り込みに及ぼす影響とその機序について興味をもち、動物モデルを作成して検討している。