教育研究プログラム研究拠点形成プロジェクト
研究課 題 疫学的アプローチによる学生のメンタルヘルス支援に向けたシステム構築
研 究 概 要 学生のメンタルヘルス低下に対する対策は喫緊の課題である.
学生時代に脳を健康に保ち(健康脳),社会に出てからも健康脳を維持・向上できるように学生を教育・支援する取り組みをする必要がある.健康科学センターでは,学生のメンタルヘルスを改善させる取り組みを行っている.これは,メンタルヘルスに不安を感じる学生本人が適宜センターを訪れるものと,入学直後の健診時の調査票を基にした呼び出しからカウンセリングへ移行するものとがある.ただし,これらの対処法であるハイリスクアプローチ(高危険因子戦略)では,メンタルヘルスの低下した多数の学生へ対処するには限界がある.
そこで,本プロジェクトでは,ポピュレーションアプローチ(集団戦略)として1年生全員を対象とした前向き調査を用いて,
@学生のメンタルヘルスの実態を調査し,
AメンタルヘルスとQOLや学力・修学状況との関連を明らかにし,
Bこれらの心理・精神的な能力を維持・改善させるための生活習慣(運動・食事・睡眠)を明らかにし、今後のメンタルヘルス改善のための支援システム作成の基礎資料を得ることと,仮の支援システムを作成し,その有用性を調査することとを目的とする.
また,メンタルヘルスの悪化に付随して生じる修学状況の遅滞や学力低下に関しても可能な限りの評価を行う予定である.本研究課題のゴールは,九州大学に入学する学生のメンタルヘルス支援に向けた全学的な支援システム(九州大学モデル)の構築を行うことである.

 
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